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統合失調症の陰性症状とうつ病は似ている?家族から見分けにくい理由

🌱 統合失調症を知る
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この前、サカナクションの山口一郎さんが、自身のうつ病について話している動画を見ていました。

その中で、

「動けない」

「文章が読めない」

「いろいろなことを同時にできない」

「決めなければならないことがあるのに、考えられない」

「人と会いたくない」

「メールを返せない」

「調子がいい日に動くと、翌日にまた動けなくなる」

といった話をされていました。

それを聞いていて、私はふと思いました。

「これ、統合失調症の陰性症状と似て見えるところが結構あるんじゃない?」

もちろん、山口さんの状態が統合失調症の陰性症状だと言いたいわけではありません。

山口さん自身は動画の中で、ご自身のうつ病について語っています。

ただ、家族から外側だけを見たとき、

寝ている。

動かない。

人に会わない。

何もしたがらない。

文章が読めない。

決められない。

という状態は、統合失調症でも、うつ病でも起こり得るんですよね。

では、統合失調症の陰性症状とうつ病は、どこが似ていて、どこが違うのでしょうか。

調べてみると、専門家にとっても簡単に区別できないことがあると分かりました。

陰性症状は、統合失調症そのものによるものだけでなく、うつ症状、薬の副作用、陽性症状、環境などによって二次的に似た状態が生じることがあります。(参考サイト:PMC)

  1. 統合失調症の陰性症状とうつ病は、たしかに似て見える
    1. 「何もしない」「人に会わない」はどちらにも起こり得る
    2. 「できない」が外からは同じに見えてしまう
  2. うつ病では「つらい」「情けない」という苦しさが前面に出ることがある
    1. 抑うつでは気分の落ち込みや絶望感などが手がかりになることがある
    2. 本人が苦しさを強く感じているかどうかだけでも分けられない
  3. 統合失調症の人に「うつ」が重なることもある
    1. 陰性症状とは別に抑うつ症状が出ることがある
    2. 「二次性陰性症状」という考え方もある
  4. 「文章が読めない」「決められない」は陰性症状なの?
    1. 認知機能の問題と陰性症状も同じではない
    2. 「できない理由」を一つに決めない
  5. 調子のいい日に動いた翌日、また動けなくなることもある
    1. 「昨日できたのに」は本人を苦しめることがある
    2. 家族は少し長い目で変化を見る
  6. わが子はいま「いろいろな人と話したい」と言っている
    1. 今は、強い陰性症状が前面にあるようには見えていない
    2. この先、静かな時期が来てもすぐ「陰性症状」とは決めない
  7. 家族から見分けられないなら、どうすればいい?
    1. 症状の名前より「変化」を伝える
    2. 本人がどう感じているかも聞いてみる
  8. 山口一郎さんの動画を見て、病名だけで人を見ないことを改めて思った
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統合失調症の陰性症状とうつ病は、たしかに似て見える

統合失調症の陰性症状には、代表的に、

  • 意欲が低下する
  • 楽しさを感じにくくなる
  • 人との関わりが減る
  • 会話量が減る
  • 表情や声の抑揚が乏しくなる

といった特徴があります。

専門的には、意欲低下、快感消失、非社会性、会話の減少、感情表現の低下などに整理されています。(参考サイト:PMC)

一方、うつ病でも、

何もする気になれない。

以前好きだったことを楽しめない。

人と会いたくない。

考えがまとまらない。

疲れて動けない。

といった状態が起こることがあります。

「何もしない」「人に会わない」はどちらにも起こり得る

たとえば家族から、

一日中寝ている。

部屋から出てこない。

友達に会わない。

趣味をしなくなった。

という姿が見えたとします。

これだけを見て、

「これは陰性症状」

あるいは、

「これはうつ病」

と判断することは難しいようです。

陰性症状と抑うつでは、意欲低下、快感の低下、社会的な引きこもりなど、かなり重なる部分があります。(参考サイト:PMC)

「できない」が外からは同じに見えてしまう

ここが家族には難しいところだと思います。

「今日は出かけない」

という同じ行動でも、

本当に人への興味が低下しているのか。

気分が落ち込んで人に会えないのか。

妄想が怖くて外へ出られないのか。

薬で眠いのか。

疲れ切っているのか。

本人の中では理由がまったく違うかもしれません。

行動だけ見ても、中で何が起きているかは分からない。

今回、私は山口さんの動画を見て、それを改めて感じました。

うつ病では「つらい」「情けない」という苦しさが前面に出ることがある

動画の中で、山口さんは、

「情けなくなる」

「周りに迷惑をかけていると思う」

「何もできない」

といった気持ちについても話していました。

私はここを聞いて、

陰性症状と似ているようで、少し違う部分もあるんだなと思いました。

抑うつでは気分の落ち込みや絶望感などが手がかりになることがある

研究レビューでは、陰性症状とうつ症状には重なりがある一方、うつでは、

抑うつ気分、悲観、罪悪感、絶望感、希死念慮、睡眠の乱れ

などがより手がかりになるとされています。(参考サイト:PMC)

一方、陰性症状では、

会話量の減少、感情表現の乏しさ、社会的な関わりの低下

などが特徴として挙げられます。

ただし、これも教科書どおりには分かれません。

本人が苦しさを強く感じているかどうかだけでも分けられない

「うつなら本人がつらいと言う」

「陰性症状なら本人は気にしない」

というほど単純でもありません。

陰性症状のある人も、生活上の困難に悩むことがあります。

逆に、うつ状態でも自分の変化をうまく言葉にできないことがあります。

だから、

「本人がつらそうだからうつ」

と決めることもできません。

統合失調症の人に「うつ」が重なることもある

さらにややこしいのは、

統合失調症と診断された人にも、抑うつ症状が出ることがあることです。

つまり、

「統合失調症だから、今見えている症状は全部統合失調症」

ではありません。

陰性症状とは別に抑うつ症状が出ることがある

統合失調症では、陰性症状と抑うつは別の症状領域として考えられています。

研究上も、陰性症状は抑うつや不安とは別の因子として捉えられています。(参考サイト:PMC)

一方で実際の患者さんでは、

陰性症状がある。

そのうえで抑うつもある。

ということもあり得ます。

だから家族としては、

「統合失調症の症状だから仕方ない」

と全部ひとまとめにしない方がいいのだと思います。

「二次性陰性症状」という考え方もある

調べていて、私はこの言葉を知りました。

二次性陰性症状

です。

統合失調症そのものに由来する陰性症状を「一次性陰性症状」と呼ぶことがあります。

一方、

うつ。

妄想や幻聴。

薬の副作用。

長期入院などによる環境の影響。

こうした別の原因によって、陰性症状のように見える状態が起きることがあります。

これが二次性陰性症状です。(参考サイト:PMC)

この区別は治療を考える上でも重要です。

原因がうつなら、うつへの対応が必要かもしれない。

薬の副作用なら、薬について相談する必要があるかもしれない。

妄想が怖くて人を避けているなら、陽性症状への治療が必要かもしれない。

同じ「人と会わない」でも、対応が変わってきます。

「文章が読めない」「決められない」は陰性症状なの?

山口さんの動画で、私が特に気になったのが、

「文章が読めなくなる」

「いろいろなことを同時にできなくなる」

「決められなくなる」

という話でした。

なぜなら、わが子の入院中にも、

文章。

パズル。

注意力。

考えること。

そういう認知面について私はかなり気にしていたからです。

認知機能の問題と陰性症状も同じではない

統合失調症には、注意、記憶、処理速度、実行機能などの認知機能に困難が出ることがあります。

でも、

認知機能障害=陰性症状

ではありません。

そして、うつでも集中力や思考力が落ちたり、決断が難しくなったりすることがあります。

だから、

「本が読めない」

「決められない」

という一つの出来事だけから、病気のどの症状なのかを判断するのは難しいと思います。

▶ 統合失調症の認知機能障害とは?記憶・注意・処理速度について家族が調べたこと

「できない理由」を一つに決めない

私は入院中、

「昨日できたのに今日はできない」

という本人を何度も見ました。

だから最近は、

できる・できないだけを見るのではなく、その日の体調や疲れ、頭痛、睡眠、薬、周囲の刺激なども含めて見る

ようにしたいと思っています。

外から見える「できない」は同じでも、その理由は一つではないからです。

調子のいい日に動いた翌日、また動けなくなることもある

山口さんが動画の中で何度も話していたのが、

調子がよくなった。

少し外出した。

作業した。

すると翌日にまた動けなくなる。

という波でした。

「良くなったと思って動くと、またダメになる」

という話です。

これを聞いて、

回復というものは一直線ではないんだな、と改めて思いました。

「昨日できたのに」は本人を苦しめることがある

家族からすると、

「昨日あんなに元気だったじゃん」

と思ってしまいます。

でも昨日できたことが、今日も同じようにできるとは限らない。

精神疾患に限らず、回復の途中には波があります。

統合失調症の陰性症状についても、経過が一定とは限らず、変動したり改善したりするケースが報告されています。(参考サイト:PMC)

だから、

「一度できた=もう完全に回復した」

とも、

「今日はできない=悪化した」

とも、すぐ決めない方がいいのだと思います。

家族は少し長い目で変化を見る

一日単位で見ると、

上がった。

下がった。

また上がった。

と、そのたびに家族の気持ちも振り回されます。

でも、

1週間。

数週間。

もっと長い期間。

で見れば、

以前より会話が増えた。

外へ出られるようになった。

できることが増えた。

という変化が見えるかもしれません。

私は本人の回復についても、なるべくそう見たいと思っています。

わが子はいま「いろいろな人と話したい」と言っている

以前、陰性症状について調べたとき、

人との関わりへの意欲が低下することもあると知りました。

そこで、わが子の今の様子を考えました。

本人は最近、

「いろいろな人と話したい」

と言っています。

私はそれを聞いて、

「ああ、人と関わりたいという気持ちはあるんだな」

と思いました。

今は、強い陰性症状が前面にあるようには見えていない

家族の私から見た現在の本人には、

少なくとも、

「誰とも関わりたくない」

「何にも興味がない」

という状態が強く出ているようには見えません。

もちろん、

私が「陰性症状はない」と診断することはできません。

あくまで今の本人の様子についての記録です。

▶ 統合失調症の陰性症状とは?「やる気がない」だけではない症状を家族目線で考えた

この先、静かな時期が来てもすぐ「陰性症状」とは決めない

今回うつ病について語る動画を見て、私はむしろ、

今後本人が、

寝ている。

人に会いたがらない。

何もしたくない。

と言うような時期が来ても、

「とうとう陰性症状が出た」

とすぐ決めないようにしようと思いました。

気分はどうなのか。

眠れているか。

薬の影響はないか。

幻聴や妄想が怖いのではないか。

頭痛や体調不良はないか。

本人は何がつらいと言っているのか。

まず、そこを見る。

そして変化が続くなら主治医に伝える。

それでいいのだと思います。

家族から見分けられないなら、どうすればいい?

結局、調べれば調べるほど、

家族が見ただけで陰性症状とうつを完璧に見分けるのは難しい

というところに戻ってきました。

専門家向けのガイドラインでも、一次性陰性症状と、うつなどによる二次性陰性症状を区別することは重要である一方、実際には難しい場合があるとされています。(参考サイト:PMC)

症状の名前より「変化」を伝える

家族が主治医に、

「陰性症状だと思います」

と診断する必要はありません。

むしろ、

「最近、朝起きられなくなった」

「以前好きだったことをしなくなった」

「本人が『楽しくない』と言っている」

「会話が急に減った」

「一日中眠っている」

「自分を責める言葉が増えた」

と、実際に起きている変化を伝える方が役に立つと思います。

本人がどう感じているかも聞いてみる

外から、

「何もしていない」

ように見えても、

本人の中では、

やりたいのに動けない。

何をしても楽しくない。

怖くて出られない。

ただ疲れている。

という違いがあるかもしれません。

だから私は、

「なんで何もしないの?」

ではなく、

「今、どんな感じ?」

と聞ける家族でいたいと思います。

山口一郎さんの動画を見て、病名だけで人を見ないことを改めて思った

私は山口一郎さんの動画を、

統合失調症について調べるために見たわけではありませんでした。

うつ病についてご本人が話しているのを見ていただけです。

でも、

動けない。

考えられない。

決められない。

人と会いたくない。

何かしようとしてもできない。

そんな話を聞きながら、

「病名が違っても、外から同じように見える苦しさがあるんだ」

と思いました。

そして逆に、

同じように見えるからこそ、

「この行動なら、この症状」

と家族が簡単に決めてはいけないのだとも思いました。

統合失調症だから、全部陰性症状。

うつ病だから、全部気分の問題。

そうではない。

本人が今、何に困っているのか。

何が変わったのか。

どのくらい続いているのか。

それを見ていく。

私は、病名を覚えることより、そちらの方が家族には大事なのかもしれないと思っています。

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