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統合失調症の妄想に家族はどう接する?初発時に私が戸惑ったこと

🌱 統合失調症を知る
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統合失調症の初発時、

私が一番困ったことの一つが、

「妄想に何と返せばいいの?」

ということでした。

本人が、

「みんなに嫌われている」

「家族ではない」

「自分は人に危害を加えた」

「警察が迎えに来る」

と話す。

私から見れば、事実ではありません。

だから最初は当然、

「違うよ」

と訂正しました。

でも、通じません。

もう一度説明する。

それでも通じない。

そのうち、

「どうして分からないの?」

と私の方がイライラする。

統合失調症になるまで私は、

妄想を抱いている人との会話の仕方なんて、一度も考えたことがありませんでした。

→ 統合失調症の妄想とは?家族が初発後に初めて知ったこと

最初は「事実を説明すれば分かる」と思っていた

私はかなり現実的に考える方です。

何か勘違いしているなら、

事実を説明する。

間違っているなら、

正しい情報を伝える。

それで解決すると思っていました。

でも、初発時の本人には、それが通じませんでした。

「そんなこと起きてないよ」と何度も言った

本人が、

実際には起きていないことを話す。

私は、

「それは起きていないよ」

「そんなことしてないよ」

「それは事実と違うよ」

と何度も返しました。

でも本人の考えは変わりません。

統合失調症の妄想は、周囲が違うと説得しても本人が受け入れられないことが特徴の一つとされています。

これを後から知って、

「そもそも説得で簡単に解決する状態ではなかったんだ」

と分かりました。

家族には「話が通じない」ように感じる

その場にいる家族からすると、

かなり混乱します。

普通に話せる時間もあるからです。

さっきまで普通に会話していた。

こちらの質問にも答えている。

なのに、ある話になると、

どれだけ説明しても事実が入らない。

私は何度も、

「分かっているの?分かっていないの?」

と思いました。

でも今考えると、

本人の中では妄想の内容が現実として感じられていたのでしょう。

NCNPも、統合失調症では現実には起きていないことを確信する妄想や、命令する声が聞こえるなどの幻覚がみられることがあると説明しています。

「家族ではない」と言われて、私は怒った

入院前日、

本人は私に、

「あなたと私は他人だ」

という趣旨のことを言いました。

これには、私もカチンときました。

頭では、

「今は様子がおかしい」

と分かっています。

でも感情は別です。

ずっと育ててきたのに、と思ってしまった

突然、

自分の子どもから、

「母親ではない」

と言われる。

当然ですが、

私はその場で精神科医のように冷静にはなれませんでした。

「何を言ってるの」

という気持ちになりました。

そして、怒りました。

→ 入院前日|普通に笑う時間もあった。それでも夜、現実とのずれが一気に大きくなった

家族から「怒ったらだめ」と言われた

一緒にいた家族から、

「怒ったらだめ」

と言われました。

そこで私は少し我に返りました。

本人は、

私を傷つけようとして、

わざと「他人だ」と言っているわけではないのかもしれない。

今の本人には、

本当にそう感じられているのかもしれない。

そう思いました。

厚労省も、統合失調症の人への関わりでは、批判的な言い方や責めるような言い方を避けるよう案内しています。

だからといって、妄想に「そうだね」と同意するのも違う

ここで私は別の疑問を持ちました。

否定してはいけないなら、

妄想を肯定すればいいの?

ということです。

本人が、

「私は家族に薬を盛った」

と言った時に、

「そうだね、あなたは薬を盛ったね」

とは言えません。

実際には起きていないからです。

私は途中から「内容の正誤」で戦うのをやめた

初発時の私は専門的な接し方を知っていたわけではありません。

でも何度もやり取りするうちに、

一つ一つ、

「正しい」

「間違っている」

と決着をつけようとすることに疲れてきました。

本人に、

「家族じゃないのに、なんで食事を用意したの」

というようなことを言われた時には、

私はもう、

「母親代わりをするって決めたからやってるの」

くらいに返していました。

今思えば、かなり適当です。

でもその時は、

妄想の世界を論破することより、その場を安全に進める方が重要

になっていました。

「事実」ではなく「本人の気持ち」に返すという考え方

後から家族向けの情報を調べる中で、

私は、

妄想の内容そのものを争うより、

本人が感じている不安や苦しさに目を向けるという考え方を知りました。

例えば、

「誰かに狙われている」

と言われた時、

「そんなわけないでしょ」

と即座に論破するのではなく、

「それは怖いね」

と、本人が感じている恐怖については受け止める。

ただし、

「本当に狙われているんだね」

と妄想そのものに同意するわけではない。

「気持ち」と「事実」は分けられる

これは私には分かりやすい考え方でした。

本人の話の内容には同意できない。

でも、

そのことで怖がっている。

不安になっている。

苦しんでいる。

その感情まで否定する必要はありません。

厚労省は、統合失調症の人は対人関係に敏感であることから、責めるような関わりを避け、不安をあおらないよう配慮することを勧めています。

何を言えばいいか分からない時もある

とはいえ、

実際の家庭では毎回、

教科書どおりの言葉が出てくるわけではありません。

こちらも疲れています。

夜中だったり、

何時間も同じ話を聞いた後だったり、

家事や仕事もあります。

だから私は、

「正しい返事を毎回しなければ」

と家族が自分を追い込むのも違うと思っています。

少なくとも私には無理でした。

「全部聞かなければ」と思って、私も疲れた

入院3日前には、

本人がほぼ一日中話し続けました。

私は、

「ちゃんと聞かなきゃ」

と思って、

ずっと話を聞きました。

→ 入院3日前|一日中しゃべり続け、過去の話が現実と合わない。「これは普通の体調不良ではない」と思った日

一日中付き合うと、家族も消耗する

本人は苦しい。

それは分かっています。

でも、

何時間も、

事実とは違う話を聞き続ける家族も疲れます。

私はその日、

ほとんど自分の仕事ができませんでした。

そして、

「もう参った」

と思いました。

今振り返ると、

本人を支えることと、家族がすべてを背負うことは同じではない

と思います。

症状が強い時は、家族だけで何とかしようとせず、医療機関や地域の相談先につなぐことが重要です。

厚生省は、精神科・精神保健福祉センター・保健所などを相談先として案内しています。

症状が強くなったら「接し方」より受診を優先する

初発時を振り返って、

これはかなり大事だと思います。

「妄想に何と答えればいい?」

と悩んでいる間に、

本人の状態そのものがどんどん悪くなることがあります。

わが家では、

数日の間に、

独り言、

事実と合わない話、

食欲低下、

睡眠の変化、

家族を家族と思えない状態、

自分が犯罪を犯したという確信、

そして110番、

まで進みました。

家族だけで何とかする段階を超えていた

今なら、

「うまい返事を探している場合ではなかった」

とも思います。

厚労省は、症状が強い場合には無理をさせず休養を取り、速やかに主治医の受診を促すことを案内しています。

初発でまだ主治医がいない場合は、

精神科、

精神保健福祉センター、

保健所などに相談する方法があります。

わが家も最終的には、精神科の緊急相談につながり、その日のうちに受診することになりました。

→ 入院1日目②|精神科を今日受診したい。でも予約は先だった。緊急相談から病院が決まるまで

家族も「正しく接する」ことばかり考えなくていいと思う

統合失調症について調べると、

「こう接しましょう」

という情報がたくさん出てきます。

もちろん参考になります。

でも、家族として実際に初発を経験した私は、

少し違うことも感じています。

家族だって最初から病気の専門家ではない

突然、

昨日まで普通に話していた家族が、

現実とは違うことを言い始める。

そんな場面で、

最初から理想的に対応できる人がどれだけいるでしょう。

私はできませんでした。

否定しました。

説得しました。

腹も立てました。

途中から適当に返したこともあります。

それでも、

最後には病院につなげました。

私は、

それでいいと思っています。

大事なのは、一人で抱え込まないことだった

振り返って一番重要だったのは、

一言一句を完璧にすることではありませんでした。

本人の状態がいつもと違うと気づく。

安全を考える。

そして必要な時に医療へつなげる。

この三つでした。

今の私なら、こう考える

もしもう一度、

初発時の自分に伝えられるなら、

こう言いたいです。

妄想を無理に論破しなくていい。

でも妄想そのものに同意しなくてもいい。

本人が怖いなら、

「怖いんだね」

と、その気持ちは受け止めていい。

そして、

会話だけでどうにかしようとしない。

症状が強いなら、

専門家につなぐ。

厚労省やNCNPも、家族だけで抱えず、精神科や精神保健福祉センターなどの相談先を利用することを案内しています。

今振り返って思うこと

初発時、

私は何度も、

「どうして分からないの」

と思いました。

でも、

本人もきっと、

「どうして家族は分かってくれないの」

と思っていたのかもしれません。

見えている現実が違っていたからです。

だから、

その場でどちらが正しいか決着をつけることより、

本人が今、

怖いのか、

不安なのか、

苦しいのか、

そして安全なのか。

そちらを見る方が大切だったのだと思います。

ただ、

これも後から言えることです。

実際の私は、

怒ったり、

困ったり、

適当な返事をしたりしました。

それが、

初めて統合失調症の妄想を目の前にした、一人の家族の現実

でした。

次は、本人が話してくれた体験も含めて、

「幻聴とは何なのか」

を整理してみようと思います。

→ 統合失調症の幻聴とは?本人の体験を家族はどう理解すればいい?

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