前日は、
「なんとなく、いつもと違う」
という程度の違和感でした。
お腹が張る。
睡眠不足。
だるそう。
普段はしないような行動をする。
それでも、その時点では単なる体調不良だと思っていました。
ところが翌日になると、違和感はもう少しはっきりしたものになりました。
この日、特に気になったのが、
独り言の多さ
でした。
前日の記録はこちらです。
→ 入院5日前|最初に感じた小さな違和感。「なんとなく、いつもと違う」
イヤホンをしていても気になるほど独り言が多かった
私はその日、自宅でイヤホンをしながらPC作業をしていました。
本人は近くでオンライン講座を受けていました。
普段なら、講座を受けている間はかなり集中しています。
黙って画面を見て、勉強している。
それがいつもの姿でした。
ところが、この日は違いました。
オンライン講座を受けながら、ずっとぶつぶつ話していた
イヤホンをしている私でも気になるくらい、本人の独り言が聞こえてきました。
ぶつぶつと、かなり頻繁に何かを話しています。
講座を聞きながらも続いていました。
私は、
「どうしたの?今日は独り言が多いね」
というようなことを聞きました。
すると本人は、
「いつもだよ」
と答えました。
でも、私の記憶ではそんなことはありません。
少なくとも、
私が「独り言が多い」と気になるほど話している姿は、それまで見たことがありませんでした。
「いつもだよ」という返事にも違和感があった
本人にとっては、本当に「いつも通り」だったのかもしれません。
でも、家族から見ると明らかに違いました。
そのギャップにも、私は妙な違和感を覚えました。
この時はまだ、
「何か病気なのではないか」
とまでは考えていません。
ただ、
「昨日から、ちょっと変だな」
という気持ちは強くなっていました。
夕食中も独り言が続いていた
夕方、私は仕事があったため外出しました。
本人は家族と夕食を食べました。
あとから話を聞くと、その間も独り言がかなり多かったそうです。
私だけではなく、家族も違和感を持ち始めた
食事をしている最中も、
ぶつぶつと何かを話している。
会話をしていても、こちらに意識が向いていないように見える。
一緒にいた家族も、
「今日はちょっと様子がおかしい」
と感じていました。
前日は私だけが、
「なんとなく変だな」
と思っていました。
でも、この日から、
複数の家族が同じ違和感を持ち始めました。
私にとっては、ここが大きな変化だったと思います。
いつもならすぐ入るお風呂に、なかなか入れなかった
もう一つ、普段との違いがありました。
本人はいつも、夕食後になると比較的早い時間にお風呂に入る習慣がありました。
特に何度も声をかけなくても、自分で入ります。
ところがこの日は、なかなか入浴しませんでした。
声をかけても、行動に移るまでかなり時間がかかった
家族が、
「お風呂に入ったら?」
と声をかけても、すぐには動きません。
何度か声をかけながら待ち、ようやく入浴したのは、いつもよりかなり遅い時間だったそうです。
私は夜になって帰宅しました。
すると、本人の髪がまだ濡れていました。
普段の生活リズムを知っている私には、それも珍しい光景でした。
「今日はお風呂が遅かったんだね」
という話をすると、
本人は、
「気がついたらこんな時間だった」
というようなことを話しました。
「やる気がない」とは少し違う感じがした
単に、
「今日は面倒だからお風呂に入りたくない」
という感じとは違って見えました。
本人の中で、
時間がうまく流れていないような、行動に移るまでに妙に時間がかかるような
そんな印象でした。
もちろん、後から振り返って感じている部分もあります。
この時点では、
「疲れているのかな」
くらいにしか考えていませんでした。
夜になると、会話までかみ合わなくなった
私が最も強く違和感を覚えたのは、帰宅後の会話でした。
こちらが話しかけても、
質問とはまったく違う返事が返ってきます。
私の話を聞いていないように感じた
最初は、
「ちゃんと聞いてなかったのかな?」
と思いました。
そこで、もう一度話します。
でも、やはり返事がかみ合わない。
こちらが尋ねたことと、
本人が答えていることが、
うまくつながらない。
こんなやり取りは、それまでほとんどありませんでした。
指摘しても、本人は特に気にしていなかった
「今、全然違うこと答えてるよ」
というように指摘しても、
本人は特に困った様子を見せませんでした。
「ごめん、聞いてなかった」
という感じでもありません。
本人自身は、
会話がかみ合っていないことを、それほど不自然には感じていないように見えました。
私はそこで、
「これはちょっとおかしい」
とはっきり感じました。
「独り言が増えた=幻聴」とは、この時は考えていなかった
入院後に統合失調症について調べるようになると、
私はこの日の独り言についても何度も考えることになります。
「あの時、何か聞こえていたのだろうか」
と思ったこともあります。
でも、今でもそれは分かりません。
本人が何を考え、何に反応して独り言を言っていたのか、この日の時点では確認できていません。
だから、
「独り言が増えたから幻聴が始まっていた」
とは、このブログでも断定しないようにしたいと思っています。
分かるのは「普段とは明らかに違った」ということ
私が事実として言えるのは、
普段ほとんど気にならなかった独り言が、この日は家族全員が気づくほど増えていたこと。
そして、
入浴するまでに普段よりかなり時間がかかったこと。
さらに、
夜になると会話がかみ合わなくなっていたこと。
この3つです。
病気について何も知らなかった当時の家族にも、
「昨日より明らかにおかしい」
と分かる変化でした。
前日の「なんとなく変」から、一日で違和感が強くなった
前日の私は、
「お腹の調子が悪いのかな」
と思っていました。
それが一日後には、
「今日は明らかに言動がおかしい」
に変わっています。
今、時系列にして書いてみると、
変化のスピードがかなり速かった
ことに改めて気づきます。
それでも、この時点では精神科受診を考えていなかった
これだけ違和感があったにもかかわらず、
この日の私はまだ、
「精神科に連れていこう」
とは考えていませんでした。
それまで普通に生活していた家族が、
突然精神疾患を発症するかもしれない。
そんな発想が、そもそもありませんでした。
「疲れているのかな」
「寝不足だからかな」
「何か考え事でもしているのかな」
そうやって、日常の中で説明できる理由を探していました。
今振り返って感じること
入院5日前は、
「なんとなく、いつもと違う」
でした。
入院4日前になると、
「明らかに、いつもの本人とは違う」
に変わりました。
しかも、それを感じたのは私一人ではありません。
一緒に生活していた家族も同じように違和感を持ちました。
この日はまだ、
統合失調症という言葉も、
精神科入院という言葉も、
私たちの生活とは遠いものでした。
数日後に警察が来て、
その日のうちに精神科へ入院することになるとは、
まだ誰も想像していません。
ただ、
日常の中の小さな歯車が、少しずつ合わなくなり始めていた。
今振り返ると、そんな一日だったと思います。
次の日になると、私たち家族が感じる異変はさらに強くなっていきます。


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