子どもが統合失調症と診断された時、私は、
統合失調症という病気をほとんど知りませんでした。
妄想とは何なのか。
幻聴とは何なのか。
どうして、昨日まで普通に話していた本人が、突然こんな状態になるのか。
薬はいつまで飲むのか。
退院したら、元の生活に戻れるのか。
分からないことだらけでした。
だから、入院してから私は、とにかく調べました。
本。
Webサイト。
YouTube。
「これは参考になりそう」
と思うものは、片っ端から見ました。
もちろん、医学情報は主治医や公的・専門的な情報を優先して確認する必要があります。
この記事で紹介するものも、
「これを見ればすべて分かる」
というものではありません。
あくまで、統合失調症についてほとんど知識がなかった私が、
家族として理解していく中で、実際に参考になったもの
をまとめています。
最初に「これが統合失調症なのか」と分かったWebサイト
最初の頃、医学用語だけを読んでも、私はいまひとつ理解できませんでした。
「妄想」
「幻聴」
「思考障害」
と説明されても、実際にはどういう状態なのか。
それが、なかなか結びつかなかったのです。
そんな時に、かなり参考になったサイトがありました。
Dr 林のこころと脳の相談室
精神科医の林公一先生が運営している、
「Dr 林のこころと脳の相談室」
です。
その中でも、私が特によく読んだのが、
「精神科Q&A」
でした。
実際の相談内容に対して、精神科医の立場から回答しているページが多数あります。
私は、その中の統合失調症に関するものを、かなり読みました。
病名の説明より「実例」が私には分かりやすかった
私にとって一番大きかったのは、実際にはどんな言動が起きるのかを、具体的に知ることができたことでした。
医学書で、
「被害妄想があります」
と一行読むより、実際のケースを読む方が、私にはずっと分かりやすかったのです。
読んでいるうちに、
「あぁ、これが統合失調症の症状なのか」
と、少しずつ理解できるようになりました。
もちろん、そこに出てくるケースと、本人の症状が全部同じだったわけではありません。
でも、統合失調症という病気を、単なる病名ではなく、
実際の人の体験として理解する入口
になりました。
Webだけでは足りなくなり、本を買った
Webサイトを読みながら、もっとまとまった形で知りたくなりました。
私は、活字で最初から最後まで読めるものが欲しくなりました。
そこで、統合失調症や精神病についての本を、何冊か購入しました。
『統合失調症―患者・家族を支えた実例集』林公一
最初に手に取った一冊が、
『統合失調症―患者・家族を支えた実例集』
著者は、Dr 林のこころと脳の相談室の林公一先生です。
Webの「精神科Q&A」が参考になったので、
「もう少しまとまった形で読みたい」
と思って購入しました。
私の場合、統合失調症について理解する時に、抽象的な説明より、
実際のケースから理解する方が頭に入りやすかった
ので、この本もその点で参考になりました。
「統合失調症って、実際にはこういう形で現れることがあるんだ」
ということを知る助けになった一冊です。
『精神病』笠原嘉
次に読んだのが、笠原嘉先生の、
『精神病』
です。
こちらは、統合失調症だけを扱った本ではありません。
精神病というものを、もう少し広く理解するために読みました。
子どもが発症してすぐの頃は、私は、「統合失調症」という病名だけを、必死に追いかけていました。
でも、精神医学では、そもそも人の精神状態をどう見ているのか。
病気と健康の境目を、どう考えてきたのか。
そういった、少し広い視点を持つ助けになりました。
「実際にはどう見えるのか」を知るために、もう一冊読んだ
統合失調症について調べていると、医学的な説明だけでは、まだ分からないことがたくさんありました。
本人の中では、何が起きているのか。
周囲から見ると、どんな変化として現れるのか。
私は、やっぱり実例から理解したいタイプなのだと思います。
『統合失調症という事実』
もう一冊購入したのが、
『統合失調症という事実(ケースファイルで知る)』
です。
林公一先生の著書で、村松太郎先生が監修されています。
こちらも、ケースを通して統合失調症を知る本です。
病名だけでは見えてこない、一人ひとりの症状や経過を見ることができます。
「同じ統合失調症でも全然違う」と分かった
いろいろなケースを読むうちに、私が強く感じたことがあります。
それは、
同じ統合失調症でも、本当に人によって違う
ということでした。
うちの子に当てはまるところもある。
まったく違うところもある。
重いケースもある。
比較的生活を取り戻しているケースもある。
そのことを知ったことで、
「統合失調症になったら必ずこうなる」
という単純な病気ではないことも、少しずつ分かってきました。
YouTubeも、かなり見た
本と同時に、YouTubeもかなり見ました。
たぶん、
「精神科医」とついている動画は、
相当数見たと思います。
もちろん、YouTubeは誰でも発信できる場所です。
だから、何でもそのまま信じるというより、医師としての説明なのか、ほかの情報とも一致しているのか、ということを気にしながら見ていました。
その中で、
私自身には特に分かりやすかった精神科医のチャンネルが2つ
ありました。
精神科医 芳賀高浩先生
一つ目は、
精神科医 芳賀高浩先生
のYouTubeです。

私が見ていて感じたのは、実際に統合失調症の患者さんと日々接していることが、説明から伝わってくることでした。
特に、抗精神病薬について調べている時に、かなり参考になりました。
「この薬には、こういう特徴がある」
という話だけではなく、実際の診療の中ではどう考えるのか。
家族として、そこが知りたかった私には、分かりやすい内容でした。
精神科医 松崎朝樹先生の「精神医学」
もう一つ、
私にとても合ったのが、
精神科医 松崎朝樹先生の「精神医学」
です。

最初に見た時、私は、
「これ、医学部生向けなのかな?」
と思いました。
それくらい、精神医学の内容が、項目ごとに整理されています。
でも、私にはそれが逆に分かりやすかったです。
「そもそも統合失調症って何?」
「なぜこういう症状が起きるの?」
「薬は何をしているの?」
といった、私が根本的に疑問に思っていたところを、順番に整理して説明してくれる。
いろいろな情報を見すぎて、頭の中が散らかっていた私には、かなり助けになりました。
松崎先生の本も読んでみたいと思っている
松崎先生のYouTubeを見ていて、本も出されていることを知りました。
それが、
『統合失調症のみかた、治療のすすめかた』
です。
これは、まだ読んでいない
ここは、ほかの3冊とは分けて書いておきます。
私は、この本をまだ購入していません。
なので、
「読んでよかった本」ではありません。
松崎先生のYouTubeが私には分かりやすかったので、
「本も読んでみたい」
と思っている一冊です。
読んだら、この記事にも追記したい
実際に購入して読んだら、その時に、この記事にも感想を追記しようと思っています。
本や動画は、人によって、
「分かりやすい」
と感じるものが違うと思います。
私の場合は、
実例から理解するもの
と、
医学的なポイントを整理して説明してくれるもの
の両方が必要でした。
その意味で、林先生のケースを中心にした情報と、松崎先生の整理された説明は、違う方向から理解する助けになりました。
「たくさん見る」より、自分が納得できる情報を探した
入院直後の私は、とにかく不安でした。
だから、情報を探す手も止まりませんでした。
検索する。
動画を見る。
また検索する。
本を買う。
夜まで調べる。
そんな日もありました。
情報を見すぎて、逆に怖くなることもあった
統合失調症について検索すると、とても重いケースも出てきます。
再発。
長期入院。
仕事ができなくなった話。
家族とのトラブル。
読んでいるうちに、
「うちの子もこうなるの?」
と、どんどん怖くなることもありました。
でも、一つのケースが、そのまま本人の未来になるわけではありません。
このことは、家族会に参加した時にも、強く感じました。
→ 初めて統合失調症の家族会に参加した|想像を超える話を聞いて、それでも本人の未来とは分けて考えた
最後は「今の本人を見る」ことに戻る
いくら本を読んでも、動画を見ても、本人そのものが書いてあるわけではありません。
本人の症状。
本人の回復。
本人に合う薬。
本人に合う生活。
それは、主治医と本人が相談しながら、実際の経過を見ていくしかありません。
情報は、私にとって、
本人を理解するための材料
でした。
本人を、本や動画のケースに当てはめるためのものではありません。
一番知りたかったのは「これからどうなるのか」だった
私は、統合失調症の勉強がしたかったわけではありません。
本当は、ただ、知りたかったのです。
「この子は、これからどうなるの?」
それだけでした。
「元の生活はできるのか」をずっと探していた
学校や勉強はどうなる。
仕事はできる。
一人で暮らせる。
薬は一生飲む。
再発はする。
普通に笑って生活できる。
私は、答えを探して、いろいろな情報を見ました。
でも、結局、
「この子がどうなるか」
を断言してくれる情報はありませんでした。
当たり前ですよね。
未来のことは、誰にも分からないのだから。
分からないからこそ、知識が少し支えになった
それでも、病気について何も知らない状態と、少し分かっている状態では、私の不安は違いました。
「あれは妄想だったんだ」
「本人には本当にそう感じられていたんだ」
「これは認知機能の変化かもしれない」
「治療を続ける意味はここにあるのか」
一つずつ、名前がついて、少し理解できるようになる。
それだけでも、家族である私には、かなり助けになりました。
今振り返って、最初に読むならどうするか
もし、入院したばかりの頃の自分に、今の私が何か言えるなら、
「全部一気に理解しようとしなくていいよ」
と言いたいです。
当時は、何もかもすぐ知らなければ、と思っていました。
まず「本人に起きていること」を理解するものから
私の場合、最初は、実例から入ったのがよかったです。
妄想とは、実際にはどんなものなのか。
本人は、どんなふうに感じることがあるのか。
家族から見ると、どういう変化として現れるのか。
そういうことが分かると、医学的な説明も、少し理解しやすくなりました。
だから、私なら最初は、Dr 林の精神科Q&Aや、ケースを中心にした本から入ると思います。
そのあと、医学的な仕組みを整理する
そして、少し落ち着いてから、
病気の仕組み。
薬。
再発。
認知機能。
治療。
そういったことを、少しずつ整理する。
私には、この順番が合っていました。
もちろん、人によって、分かりやすい順番は違うと思います。
この記事で紹介したものも、
「誰にでも絶対おすすめ」ではありません。
私自身が、初発後の混乱の中で、実際に役立ったもの。
それだけです。
今振り返って思うこと
子どもが統合失調症になって、私は、本当にたくさん調べました。
その時々で、検索する言葉も変わりました。
最初は、
「統合失調症 症状」。
次は、
「妄想」。
「幻聴」。
「薬」。
「再発」。
「認知機能」。
知れば知るほど、また疑問が出てきました。
でも、少しずつ、統合失調症という病名の向こうにある、
本人の状態
を見ることができるようになった気がします。
病気を知ることは、本人を病気として見るためではなく、
むしろ、
病気と本人を少しずつ分けて考えるために必要だった
のかもしれません。
あの時、何も分からず、ただ怖かった私にとって、本やWebサイト、精神科医の動画は、そのための手がかりになりました。
今回紹介したもの
Webサイト
実際に購入して読んだ本
これから読む予定の本
参考になったYouTube
※書籍等の感想は、あくまで運営者個人のものです。医療上の判断については、主治医などの医療専門職へご相談ください。


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