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入院12日目|真っ暗な面会室で考えた。「できない」をどうしたら「暮らせる」に変えられるか

📖 ある日からの記録
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入院12日目。

この日は仕事の都合で、夕方の面会になりました。

この病院で本当に助かったことの一つが、

19時までなら面会に来ていい

ということでした。

仕事をしている家族にとって、これはかなりありがたかったです。

この日は、自分の夕飯を軽く済ませてから、病院へ向かいました。

「今日は下道でいいか」が間違いだった

夕方遅い時間に病院へ行く時は、普段なら高速道路を使っていました。

病院までは、それなりに距離があります。

でも、この日に限って、私は思いました。

「今日は下道でいいか」

これが、いけなかった(笑)。

病院に着いたのは18時50分

思った以上に時間がかかりました。

病院に到着したのは、

18時50分。

面会終了まで、あと10分。

受付で、

「19時までなんですよ〜」

と、やんわり難しい顔をされました。

そりゃそうです。

私も、

「ですよね」

とは思いました。

でも、ここまで来て、本人の顔を見ずに帰るのもつらい。

「そこを何とか!」で面会させてもらった

私は、

「そこを何とか……!」

とお願いしました。

気分は、完全に時代劇です(笑)。

受付の方も、最終的にはOKしてくださって、短時間だけ面会できることになりました。

ありがたかったです。

今日は、本当に手短にしよう。

そう思って、面会室へ向かいました。

開口一番、「パズルができないのよ〜」

短時間の面会。

何を話そうかと思っていたら、

本人の方から出ました。

「パズルができないのよ〜」

出た。

70ピースのパズル(笑)。

前日から、本人の悔しさの種。

そして、私の不安の種でもあります。

→ 入院11日目|「1/6?1/7?」70ピースのパズルができない。その一言が頭から離れなくなった

「どのくらいできた?」

私は、また聞きました。

「どのくらいできた?」

正直、心の中では、ちょっと期待していました。

昨日が、1/6とか1/7くらい。

今日は、

1/5くらいまでいったかな?

なんて。

ところが、本人の答えは、

「1/6かな。1/7かな」

でした。

……。

変わってないやん!

と、言いそうになりました(笑)。

もちろん、言いませんでした。

ひょっとして、かなり謙遜してる?

ここで、私は少し別のことも思い出しました。

本人は、昔から、かなり完璧主義です。

そして、できていることを、あまり大きく言わないところもあります。

「全然できてない」

と言いながら、実際には、そこそこできている。

そういうことも、昔からありました。

だから、今回も、もしかすると、本人なりの基準で、ものすごく厳しく見積もっているだけなのか?

そんな可能性も、一瞬考えました。

でも本人は、普通に、

「変わらないのよ〜」

と言います。

うーん。

やっぱり、変わってないらしい(笑)。

私はまた「絵が複雑なんじゃない?」と言い出した

私は、自分でも何を言っているのか分からなくなってきました。

「やっぱり色が複雑なんじゃない?」

「絵が複雑なんじゃない?」

と、また言ってしまいました。

昨日も似たようなことを言っています。

本人からすると、

「なんでそんなに絵の複雑さにこだわるの?」

という感じだったと思います(笑)。

たぶん私は、理由が欲しかったんだと思います。

「パズルが難しいのは、頭の問題ではなくて、絵が難しいから」

という、安心できる理由が。

でも、そんなに都合のいい答えが、すぐ見つかるわけでもありません。

この日のもう一つの問題は「真っ暗」だったこと

そして、この日は、昼間の面会では気づきにくかったことが、はっきり分かりました。

面会室が暗い。

というより、かなり暗い。

本人が、明かりをつらがっていたからです。

昼間は気づきにくかった

これまで私は、午前中や昼間に面会することが多かったです。

そのため、部屋の照明を落としていても、外から自然光が多少入ります。

だから、

「暗い部屋で話しているな」

くらいの感覚でした。

でも、この日は夜。

外も暗い。

照明もつけない。

そこで初めて、

「あ、本当に明かりがつらいんだ」

と、実感しました。

ちなみに、主治医によると、明かりが苦手なこと、音が苦手なことは統合失調症とはあまり関係がないようです。

おそらく原因は片頭痛ではないかということでした。

家に帰ったら、照明どうしよう

私は、すぐに退院後のことを考え始めました。

いつもの私です。

家の電気、全部オレンジ系にしたらいけるかな。

白っぽい光より、暖色の方が楽なのかな。

それとも、

サングラス?

室内でも使えるような、色の薄いものがあった方がいい?

カーテンは?

PCの画面は?

スマホは?

次から次へと、考え始めました。

もちろん、この時点では、何が本人に合うのかは分かりません。

でも、私は、一つずつ試せばいいと思いました。

「できないこと」を見つける日々が始まった

この頃から、私の頭の中には、ある考え方が、かなりはっきりしてきました。

今まで通りできないことは何か。

そして、

どうしたらできるようになるか。

完全に以前と同じやり方でできないなら、別のやり方はないか。

光がつらいなら、光を変える

明るい照明がつらい。

なら、

照明を変える。

色を変える。

明るさを落とす。

遮光する。

必要なら、

目を守るものを使う。

長く集中できないなら、短く区切る

長い会話で、

途中から意識がそれる。

なら、

話を短くする。

休憩を入れる。

一度に全部説明しない。

活字が入りにくいなら、声に出す

黙って読んでも、

頭に入ってこない。

なら、

声に出して読む。

書く。

耳からも入れる。

実際、

百人一首や新聞では、

本人自身が、

その方法を見つけ始めていました。

70ピースが難しいなら、今は40ピースでもいい

70ピースができない。

だったら、

40ピースをやればいい。

あるいは、

70ピースを少しずつやればいい。

できるようになるまで、

焦らなくてもいい。

私は、少しずつ、

「元に戻す」より、「今の本人に合わせる」

という考え方になっていました。

「できるようにする」より「暮らせるようにする」

この頃、私が考え始めたのは、単に本人の能力を元に戻すことではありませんでした。

もっと現実的なことです。

どうしたら、本人が暮らせるか。

でした。

できないことがある。

それ自体は、今は仕方がない。

でも、工夫すれば、生活できることもあるかもしれない。

QOLを上げるための工夫を探す

光。

音。

睡眠。

食事。

読書。

PC。

勉強。

外出。

一つずつ、

本人に合う方法を探す。

それで、少しでも本人が楽に過ごせるなら、その工夫は、十分意味がある。

「できる・できない」を判定するだけではなく、生活の質を上げる方法を探す。

このあたりから、それが、私たちの作戦会議の中心になっていきました。

でも、私は相変わらずパズルが気になる

そんな立派なことを考えながらも、私の頭の片隅には、ずっと、70ピースのパズルがあります。

昨日、1/6か1/7。

今日も、1/6か1/7。

増えてない。

気になる。

ものすごく気になる(笑)。

でも、本人は、またやっています。

できないと言いながら、

まだ諦めていません。

その姿を見て、私は、

「今すぐ答えを出さなくていい」

と思うことにしました。

今振り返って思うこと

入院12日目。

仕事を終えて、夕方、病院へ向かいました。

「今日は下道でいいか」

と思ったら、病院に着いたのは18時50分。

受付で、

「19時までなんですよ〜」

と言われ、

「そこを何とか!」

とお願いして、短い面会をさせてもらいました。

そして本人は、短い面会時間の中でも、やっぱり、

「70ピースのパズルができないの〜」

と言いました。

どこまでできた?

と聞けば、昨日と変わらず、

「1/6かな、1/7かな」

です。

私は、また心配しました。

でも、この日、それ以上に印象に残ったのは、暗い面会室でした。

本人は、まだ光をつらがっている。

なら、家に帰った時、どうしよう。

照明を変える?

サングラス?

カーテン?

そうやって、考え始めました。

できないことを見つけて、落ち込むだけではなく、

どうしたらできるようになるか。

そして、もっと言えば、

どうしたら、その状態でも暮らせるか。

入院12日目。

この頃から、本人の生活を少しでも楽にするための、本格的な「作戦会議」が、私の中で始まった気がします。

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